CASP(キャスプ)とは、弊社が開発した新製法のセラミックコーティング技術のことで、セラミックスの粒子を瞬時に焼結させて基材にコーティングする技術です。(※特許取得)
CASPはプラズマ溶射と比べて、コーティング材料(被覆材料)にナノ・サブミクロンの微粉末を使用することで高い緻密性と密着性と兼ね備えた安定的な皮膜の成形を実現しました!
1500~3000℃の低温処理により、コーティング材料(被覆材料)の組織を壊さず、昇華・分解・変態のない(または極小な)皮膜を成形可能です。
CASPは、他のセラミックス被覆法であるプラズマ溶射や、PVD、CVD、焼結に比べて、様々な利点があります。
製造法 | 成膜速度※ | 基材自由度 | 緻密性 | 密着性 | 処理温度(℃) | 原料粉(μm) | コスト |
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CASP | 1~3 | ○ | ○ | ◎ | 1500~3000 | 0.01~20 | ○ |
プラズマ溶射(ドライ) | 10 | ◎ | × | △ | 8000~20000 | 20~100 | ◎ |
プラズマ溶射(サスペンション) | 0.5~4 | △ | ○ | △ | 15000~30000 | 0.01~20 | △ |
PVD | 0.001 | × | ◎ | ○ | 200~800 | ターゲット | △ |
CVD | 0.001 | × | ◎ | △ | 200~1000 | 反応ガス | × |
焼結 | - | - | ○ | - | 800~1600 | 0.1~100 | △ |
※プラズマ溶射(ドライ)を10とした場合
未溶融製造法での被覆方法では真空処理が主流ですが、CASPは大気中でのセラミックス未溶融被覆を実現! 他の未溶融製造法と比べると、およそ15~100倍の非常に高い生産性を可能にしました。
製造法 | 生産性※ | 処理環境 |
---|---|---|
CASP | 100 | 大気中 |
PVD | 1~5 | 真空チャンバー |
CVD | 1~10 | 真空チャンバー |
※CASPを100とした場合
CASPは、低温処理により、コーティング材料(被覆材料)の組織を壊さず、昇華・分解・変態のない(または極小な)皮膜を成形可能です。
金属・セラミックや有機材料等の各種微粉末を被覆材料として使用することができます。温度と粒子速度制御により要求機能特性にあった安定性の高い皮膜を成形できます。材料にもよりますが、CASPではおよそ15〜100μmまでの厚みのコーティングが可能です。
下記の写真は代表的なコーティング材料(被覆材料)を使用したサンプルです。
金属 | Al、 Si、 SUS316L、 Ti、 Mo |
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酸化物 | Y2O3、 αAl2O3、 TiO2、 ZrO2、 Cr2O3、 Dy2O3、 Gd2O3、 YAG |
窒化物 | AlN、 Si3N4、 TiN |
その他セラミックス | YF3、 BaF2、 CaF2、 SiC |
有機物 | PEEK |
サーメット | Cr3C2-NiCr、 WC-12Co、 WC-10Ni |
対応不可 | BN、SiO2 |
赤字:実績あり オレンジ:開発済み 青字:開発中
CASPコーティングは、現在業界で主流とされているプラズマ溶射に比べて、マイクロクラック(腐食)が極小の皮膜を成形することが可能です。
下記は、プラズマ溶射とCASPにて、同一の皮膜材料「Y2O3(酸化イットリウム)」をコーティングしたもを、同じ環境下にて「フッ素」を一定時間あて、どの程度腐食が進行するかを比較した実験のグラフです。
溶射によるコーティングに比べて、CASPによるコーティングは「腐食減量が1/3以下」という結果になりました。
SUS(ステンレス)・Al(アルミニウム)をはじめ、石英ガラス、セラミックス、カーボンなど、使用可能な「基材の自由度が高い」こともCASPの特長です。いままで溶射では使用出来なかった基材にも、コーティング可能となりました!